中3の夏は、吹奏楽に明け暮れていました。

中学校の部活だけでなく、この年結成された「静岡ユースバンド」の練習もあったからです。

「静岡ユースバンド」は、県内の中学生・高校生から選抜されたメンバーで構成されていました。目指すはオランダで開かれる「世界吹奏楽コンクール」への出場。スケールがでかい。おのずとやる気になります。ただ、全体練習に入ってから、再度メンバーの絞り込みがあるから、本番のメンバーに入れるかどうかは分からない。

練習初日、指揮者の先生が開口一番、「君たちはこれから野菜と肉を、他人の二倍食べなさい。それが血となり肉となる。」とおっしゃいました。今なら、「何言ってるんだ、この人?」という反応でしょうが、当時、疑うことを知らないまっすぐな心を持った少年だった私は、その言葉を文字どおり受け取って、毎日実践しました。

先生がおっしゃった言葉の真意は、生活の基本である食生活を意識させて、体調をしっかり整えてもらおう、ということだったのだと思います。

信じるものは救われる。焼肉とキャベツの千切りを、「これが力になるんだ」と練習のつもりでせっせと食べたおかげで、世界大会メンバーになれました。

実際のところ、「焼肉とキャベツ」が効果があったのかどうかは分かりません。ただ、普段の生活の中で、「意識して何かをする」ということは、意外と大切なのではないかと思います。「意識して何かをする」ことによって、自分の行動の質とか、時間の使い方が向上してくると思うのです。

竜洋校の子供たちにも、「意識して行動する」時間を、どんどん作らせていこうと思います。

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毎日、こんな感じの夕食。
あの時食べてたのは、キャベツがもっと山盛りでしたが…